こんにちは。ユーカリと申します。
本日紹介する本は、こちら。
「爆弾」 呉 勝浩 作
今年の10月31日に山田裕貴さん主演で映画が公開された作品です。
あらすじ
酒に酔って店員を暴行した罪で取り調べを受けていた自称・スズキタゴサク49歳。
取調室で突然「10時に秋葉原でなにかが起きます」といい、その予言通り秋葉原で爆発が起こる。
「霊感」と言い張るタゴサクと警視庁特殊犯係の類家(るいけ)との知能戦が始まる。
「ここから三度爆発があります」
東京中が爆発の恐怖に晒される中、爆発を防ぐことはできるのか。また、スズキタゴサクの本当の正体とは。
そんなミステリー小説となっています。
感想
この小説は最初から犯人、正しくは犯人と思われる人物が取調室に捕らえられた状態からこの小説は始まります。
ですので、犯人との心理戦が行われるのは最初から最後まで取調室の中です。取調室がメイン舞台という変わった構成の小説でなかなか珍しいのではないのでしょうか。
捕らえられたタゴサクは、取調室の中でこの先の事件をどう起こし、どう楽しむつもりなんでしょう。
「取調室」というゲーム盤
取調室の中で、3人の刑事とタゴサクは頭脳・心理戦を繰り広げていきます。
タゴサクはとにかく言葉遊びがうまい。ベテランの特殊犯係の刑事相手に言葉で遊んで馬鹿にして。
特に印象的なのは、最近の散髪について話すシーン。
「いや、そんなの普通気づけるわけなくない??気づかせる気ないやろう」
そんな感じで心理ゲームを続けながら雑談の中に爆弾の場所のヒントを出し続けます。
スズキタゴサクにとっての「爆破」
爆発したって、べつによくないですか?
このセリフが印象的でした。
私の考える「爆弾魔」は、破壊することやだれかを傷つけることで快楽を得るそんなイメージです。
しかし、スズキタゴサクはすでに取調室の中にいるので破壊の瞬間や傷つく人々を見ることが出来ません。
タゴサクは、「爆破」を通じて人間の本性を「暴く」ことで楽しんでいるといっていいのではないでしょうか。
つまり、タゴサクにとっての「爆破」は、人の倫理観や道徳観を破壊することだと。
最後に
今回は、呉 勝浩さんの「爆弾」を紹介しました。
取調室の中で行われる心理戦。新感覚で面白いミステリーでした。
- 「頭脳戦・心理戦」が好きな人
- 「正義」「社会の歪み」について考えることがある人
- 「呉勝浩」の作品を読んだことのない人
そのような人には、おすすめです。
ぜひ、「爆弾」読んでみてください。
