こんにちは。ユーカリです。
本日紹介する本は、こちら。
「汝、星のごとく」 凪良 ゆう
2023年本屋大賞受賞、2026年に横浜流星さんと広瀬すずさんW主演で映画化が決定している作品です。
あらすじ
瀬戸内の島で育った暁美(あきみ)と京都から転校してきた櫂(かい)が主人公の恋愛小説です。
お互い特殊な家庭環境で育ち、自然と意気投合。付き合い始めます。
しかし、高校卒業後は櫂は東京へ、暁美は島へ残ることを決意。環境の変化で変わっていく価値観と変わらない思い。二人の溝は深まっていくばかり。
2人の15年間におよぶ愛の物語。
感想
恋愛=幸せだけではない、複雑さや痛みを書いた作品でした。
その中でもまず、、エピローグについて語らせてください!!
物語の導入であるプロローグと結末であるエピローグ。どちらも同じシーンが描かれているのですが、1冊を読んだあとと読む前では印象がガラッと変わります。
「こんな見せ方ありなのかー」と。むしろ読んでる最中はどういうことが起きたらあのプロローグのシーンにつながるの?と不思議で何度もプロローグを読み返してしまいました。
「汝、星のごとく」 題名の意味
この作品では「夕星(ゆうづつ)」が印象的です。
夕星とは、宵の明星、金星のこと。
どこまで続くかわからない。けれど続くところまでは一緒に歩きたい。
互いの目に同じ星が映っているうちは―――。
第一章の最後はこの言葉で締めくくられています。
2人は1人でいるときに空を見上げて夕星を眺める描写が何度かあります。
夕星をみて当時の会話や相手のことを思い出す。
星は昼間明るくて見えない時にもそこにある。
つまり、「汝、星のごとく」という題名からわかるのは、忘れよう忘れたと思っていた期間もお互いに相手のことをずっと思っていたということではないでしょうか。
自由って??
自由の形についても考えるお話でした。恋愛の自由、選択の自由。
小説の中で、暁美の生まれ育った「島」という環境は、閉鎖的な場所で女性が1人で生きていくには難しい場所です。
恋愛や家庭環境などの噂話はすぐに広まり、女性が自立できるほど稼げる仕事もない。
そんな中で周りの目を気にせず自分で選択するということ、自由で居続けるための力を身に着けることとはなにか。
「自分を縛る鎖は自分で選ぶ」
日々、仕事ややるべきことに追われながらも、自分はやりたいことを選択できているのか、居たい場所にいることを選択できているのかを考えさせられました。
こんな人におすすめ
今回は、凪良ゆうさんの「汝、星のごとく」を紹介しました。
- 一般的な恋愛小説では物足りない
- 凪良ゆうさんの作品が好き
- 登場人物の心情変化や成長を味わいたい
そのような人に、おすすめです。
本屋大賞は、書店員さんおすすめの本だけあって、面白い本ばかりです。
ぜひ、「汝、星のごとく」読んでみてください。


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